点が取れるようにならない生徒は「対話」をしない
「縦4cm・横5cm・高さ6cmの直方体があります。体積は何立方cmですか?」
という問題があるとします。
この問題に100立方cmと答えて正解しなかった生徒に対して、まず問題文を再読させます。
しかる後に質問します。
「何を求めるの?一言・一言・一言だけで答えて」
「体積です」
「何の体積ですか?」
「直方体です」
「あぁん?」
「立方体です」
「立方体の体積公式は?」
「縦×横×高さです」
「じゃあ縦と横と高さはいくら?」
「あ、120立方cmです」
こういうやりとりをよく生徒とします。
このやり取りの中で最大に不味いのは、実は最後の返答です。
なぜかと言えば、「聞かれたことに答えていないから」です。
確かに最終的な正解は答えられていますし、それはそれでいいことです。
でもテストで点数を取るために最も考えるべきことの一つが「聞かれたことに答える」です。
どんな素晴らしい文字でも文でも答案でも、聞かれたことに答えていなければ失点です。
これは日常の会話からでも言えることです。
聞かれたことに答えないで答えたいことを答えている子供は多いです。
何を言おうがその時点で会話としては不足があります。
自分と相手という関係ではなく、自分しかありません。
これで仕事ができるかと言えば、大概の人間はできません。
余程腕前がある人間でなければ、対話ができない人間とは仕事をしたいと思われませんから。
「数学は得意じゃないから丁寧にやらない」という人もいるでしょう。
それはそれで構いません。
数学の点数がよくなることは死ぬまでありませんが、仕方がありません。
大事にしないものから大事にされるわけがないのは世の常です。
数学が得意になりたければ、問題を・他者を・世界を大事にしてください。