生徒の点数を当てる意味
塾の講師たるもの、生徒の能力を把握したり見抜いたりする力量が重要です。
生徒が何ができて何ができないかを把握せずに、有効なアドバイスはできません。
大量生産型塾講師には、テキストの模範解答を読み上げて雑談をするのは得意な人もいます。
まぁそういう人に教わる幸せも世の中にはあるでしょう。
しかし、生徒の学力を伸ばすためには長所欠点の確認が欠かせません。
僕がたまに子供達に見せている能力が、テストの点数当てです。
定期テストや単元テストが返却されてくると、生徒たちは僕にそれを見せにきます。
そのときに問題用紙だけを眺めて、問題内容をざっと確認します。
一通り見た後、「a点」「b問ミス」と言います。
これが点数当てです。
今日も理科の単元テストを中3が持参してくれました。
問題だけ受け取って、10秒ちょっと両面に目を通します。
「何点満点?」
「50点満点です」
「ふーん。2問ミス」
「はい」と生徒は苦笑します。
もちろん、問題用紙に生徒の答案が全て残っているわけではないです。
それでも問題を一通りざっとみれば、概ね何点なのかは推定できます。
これができるのは、生徒のこれまでの演習や質問が僕の頭に残っているからです。
どういう問題をどういう風に解いて、どんなことが得意でどんなミスをしているか。
どのぐらいの量の演習をしていて、どういう質問をしてくれたか。
そういうことが頭に入っていれば、問題から生徒の点数が分かるというものです。
ですから、僕から生徒に伝える指導は全部無駄なく血肉としてもらいたいです。
読み切った上で、必要なことを伝えているのですから。