三角関数の最大・最小問題のコツ
最大・最小問題は変数を減らす
今日は高校2年生から質問されたこちらの問題を解いてみます。
$$以下の関数の最大値を求めよ。$$ $$y=\sin^2x + 4 \sin x \cos x +5\cos^2x (0 \leq x < 2π)$$高校生の数学で扱う関数の最大値・最小値問題の最大のポイントは変数を減らすことにあります。
この問題であれば$\sin x$と$\cos x$の二つが変数となるので解きにくく見えてきます。
実際には$x$が変わっているだけではあるのですが、連動して異なる変化をしますので。
ここから$\sin^2x$と$\sin x \cos x$と$\cos^2x$を共通して表すことができる式変形を思い出してみましょう。
半角の公式が思い出せれば勝利です。
半角の公式
半角の公式を使いたいきっかけは、変数が積または平方の形になっている点だと覚えておきましょう。
2次の式を1次の式に次数を下げることができて、計算がグッと楽になります。
半角の公式は覚えておくべきですが、倍角の公式から導出する練習もしておきましょう。
$$半角の公式$$ $$\sin^2x=\frac{1-\cos 2x}{2}$$ $$\sin x \cos x=\frac{\sin2x}{2}$$ $$\cos^2x=\frac{1+\cos 2x}{2}$$半角の公式を使えば、これらが全て同じ変数$2x$で表せるようになります。
$$y=\frac{1-\cos 2x}{2}+4\times\frac{\sin2x}{2}+5\times\frac{1+\cos 2x}{2}$$ $$=3+2\cos 2x+2\sin2x$$ここで$\sin 2x$と$\cos 2x$の一次式に変形できました。
三角関数の合成
次は三角関数の合成をすれば、さらに変数を減らすことができます。
基本的に三角関数の合成は最後の仕上げに使うことが多いです。
焦って使わないようにしましょう。s
$$三角関数の合成$$ $$a\sin \theta + b\cos \theta =\sqrt{a^2+b^2} \sin (\theta +\alpha)$$ $$ \alpha:\sin \alpha = \frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}, \cos \alpha =\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}$$これを利用して、以下のように変形できます。
$$y=\frac{1-\cos 2x}{2}+4\times\frac{\sin2x}{2}+5\times\frac{1+\cos 2x}{2}$$ $$=3+2\cos 2x+2\sin2x$$ $$=2\sqrt{2} \sin (2x+\frac{π}{4})+3$$あとは$0 \leq x < 2π$より$0 \leq 2x < 4π$で$\frac{π}{4} \leq 2x+\frac{π}{4} < \frac{17π}{4}$を利用すれば、最大値も最小値も求められます。
公式は使い所を言語化しておく
正解の数値についてはここでは省略しておきます。
この問題から学ぶべきことは、公式を使うタイミングの見極め方です。
何を目指してどの公式を使うのか?を問題に与えられた設定から言語化しておきましょう。
なんとなく使っては再現性も汎用性も高くなりません。
なぜそう解こうと思うのか?を言葉で説明できれば、解ける問題がグッと増えます。