補数・約数・分数のような基礎基本
知識は一つだけで合格を決定できるものではありません。
ある一つのことを知っているから決定的な差がつくという魔法はありません。
手元にある知識や視点をどれだけ高速で組み合わせていけるかで、大差がつきます。
例えば扇形の弧の長さや面積を求める問題が中学1年生の数学で扱われます。
中心角が288度だったときに、多くの中学1年生は288/360を約分していきます。
これはこれでやるべき作戦ですが、塾長がそうやって解くことはよほどやる気が無い時だけです。
では、真剣に数字を見ているときには何を考えているのか、です。
まず一の位の8に注目します。
8を見ると必ず補数の2を思い浮かべるように頭が動きます。
補数とは「ある数に足して位が上がる数(足して10、100になるなど)」です。
その補数2を考えて扇形の問題だと意識すると、円との比較が頭に浮かびます。
円は中心角360度の扇形ですから、360の約数となるいくつかの数が頭をよぎります。
その中で一の位が2になるのは、72という数です。
360=72×5ですからね。
288(300弱)と72(70強)を並べると、360に近いのでは?と疑います。
そして28と7だけを足して350になることを確認したことで、360=288+72だと確定します。
72は360を5つに分けたものですから、288は残り4つに該当するので円の4/5になります。
この10行分の思考を一瞬でやることで、約分抜きにして(すなわち計算ミスなしで)4/5に到達します。
扱っている知識は「補数」「約数」「分数」という小学生の算数のものだけです。
その基礎基本を徹底的に考え抜いて使い果たすことで、差がつきます。
こうなるためには地道な演習を毎日コツコツ積んでいくしかないです。
それを意識せずに漫然と問題を解いても、時間の無駄です。
明日からも、何を身に着けるべきかを意識してコツコツ演習していきましょう。