合格者するためには書き殴れ
過去に僕が指導していたある生徒の話です。
偏差値で言えば55ぐらい。
そのままいけば中堅高校への進学となるであろう生徒でした。
多少なりとも学習はするものの突き抜けたところはなく、もどかしい日々だと感じていたようです。
部活動もやっていたので疲れも多少見えていました。
定期テストの後に僕と答案検討をしていて、机に突っ伏しながらぼやいていました。
「もうどうやっても今ぐらいの学力で終わるのかなぁ」
「そうかもしれんし、ちがうかもしれん。変わりたいなら何か変える以外は無駄よ」
「でも何変えていいかわかんない」
「じゃあ部活やめてでっかく変わればいい、ゲームもやめろって言われてもやめんやろ?」
「うん(笑)」
少し考えて、生徒に話をしました。
「多分今必要なのは外部の力じゃなくて、君の自分の力だわ。
まずは自分と対話して、自分を見つめ直してみる日々が必要だと思う」
「うーん、どうやってやるんですか?」
「そうなぁ。とりあえず自分の欲望も不満も毎日書き出してみるといい」
そう伝えて、ノートを1冊渡しました。
「それに、自分の考えたことを全部書く。いいことも悪いことも書く。
行きたい高校のことも、取りたい点数のことも書く。
ゲームしたい時もゲームしたいって書き殴る。その代わりゲームしない。
そうやって自分と向き合う時間をとってみる」
「うーん、字が汚いしあんまり書きたくない」
「自分しか読まないからそれでいい。
それに他の案は却下するんだからこれぐらいやれ」
こういうやり取りののち、件の生徒は書き殴りノートを始めました。
時折書いているか尋ねると、軽く頷いて最近書いた内容を教えてくれました。
「書いているうちに自分が見えてきたし、たまに読み返してるとやろうって気になって」
うん、それこそが自分との対話です。
自分をアウトプットすることで思考や感情を整理したり、その自分を見つめて意欲を出したり。
誰かに相談できることはそれでいいですが、いつでもとはいきませんからね。
書いているうちに文を書くことに少しずつ抵抗がなくなってきたことも教えてくれました。
数ヶ月後、学力は上昇し始めて最終的には志望校(偏差値67)に合格し、大学受験も上位大学にそのまま合格していきました。
自分を見つめる書き殴り、行き詰まっている人はぜひ試してみて下さい。