循環小数に関わる大きい数の約分のコツ
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循環小数のテストでよく出る問題
中学3年生が循環小数の学習をしています。
循環小数でよくある問題が、循環小数を分数で表すタイプのものです。
$$x=0.\dot{6}2\dot{9}$$このxを分数で表現してみましょう。
循環する部分が1桁ならば9、2桁ならば99、3桁ならば999で割った形式で表せます。
$$x=\frac{629}{999}$$ここまでは教科書を読めば迷わず来られるはずです。
大きい数の約分のコツ
問題はこれが約分できるかどうかの判別です。
おそらく大半の中3は9までの倍数判別ができるでしょう。
できない方は全く基礎力が足りませんので、すぐに指導者に相談してください。
小学6年生レベルですのでね。
さて、小6レベルをクリアした中3はここで9までの倍数判別を行い、約分できないと考えます。
そして減点されます。
実はこれは約分可能なのです。
どのようにして考えていくかを説明しましょう。
分母と分子で倒しやすい方から叩け
まず分母と分子、どちらから注目するかです。
この問題であれば、分子が何で割れるかがちょっと分かりにくいです。
分母の方が因数分解しやすいので、そちらから確認します。
目標は2桁の素数
目安としては「2桁の素数が出るまで割れ!」です
まずは999と見えるので、どうあっても9で割りたくなります。
$$999=9\times111$$111の各位の数の和が3ですから、111は3で割り切れます。
$$999=9\times3\times37=3^3\times37$$37は素数ですので、ここで打ち止めです。
50までの素数はすぐに確認できるようにしておくとここで便利です。
この因数分解から、もし約分できるならば分子の629が37で割り切れることが予想できます。
ここは頑張って筆算してみましょう。
$$629=17\times37$$ということで、分母分子が37で割り切れると確認できました。
$$x=\frac{629}{999}=\frac{17\times37}{3^3\times37}=\frac{17}{27}$$このように、因数分解しやすい数から因数分解して、約分する際の共通因数の候補を確認しましょう。
地道な確認のための堅実な行動もまた、計算の基本なのです。