学習に対して効果的である家庭内対話についての考察・質問と応答のメカニズムをめぐって
相模原市中央区矢部で数学を得意になってもらうための塾・青木学院です。
タイトルだけ大仰にしてみました。
学生・院生の書く論文のタイトルって大体こんな感じでしたね。
学習するときには「ため」を伴った=一瞬考えたあとの質問が効果的です。
そのような質問をするためには、家庭内での対話が重要な鍵をとなります。
では、どのような対話が望ましいのでしょうか。
ポイントは、なるべく子どもに考えさせる対話を目指すことにあります。
最初によくない例から出してみます。
「あんた、さっき勉強しなさいってお母さんいったよね?!」
これはいけません。
この発言は、相手に対して一つの答えだけを暗黙のうちに求めています。
子どもはこういう発言を敏感に圧力と捉えます。
この場合に子どもが最も多く取る行動は、押し黙ることです。
親の言うことの正当性を理解しつつ、それを認めたくないことから、子ども達は思考を停止して黙ります。
では、子どもに考えさせる対話とはどのようなものでしょうか。
「今勉強をしてないけど、そのことについてどう思う?」
「じゃあ、勉強したらどうなれると思う?」
こちらの方が、先ほどの例よりは良いと思います。
どちらも、自分の現状・将来について考えをめぐらせたり、振り返ったりすることを意識しています。
答えは一つではないでしょうし、その先の質問もつなげやすいです。
一方で、子ども達はその先に親がどんな話をするのかを考えつつの対話になりますので、文脈を読む力も養うことが出来ます。
ここで気をつけなくてはいけないことがいくつかあります。
ひとつは、「わからない」という答えをなるべく言わせないことです。
本当に「分からない」ことはあまりありません。
考えるのが面倒くさいから、その言葉を発して思考を止めているだけです。
もちろんどこまでわかっているかには個人差があるでしょうけれど、子ども達にはそれぞれの理解している世界があります。
その限界までは、頑張って行き着いてもらうことが重要です。
ちなみに塾の授業中でも、私は子ども達に「わからない」とは言わないように指導しています。
「間違ってもいいから、とにかく考えて答えてみて。まずはそこからだから」
結果とんちんかんな答えも返ってきますが、「よし。頑張って考えたな。まずそこでokだよ」と伝えます。
とにかく思考を止めないことが重要です。
次に気をつけなくてはいけないのは、形式にそったやりとりをすることです。
国語の問題にもなりますが、「○○とはどういうこと?」と聞いた質問に対して、「△△ということ」と答えないやりとりをみることがあります。
「□□だから」などと答える場合です。
これはよくありません。相手の言っていることをきちんと聞き、きちんと考え、きちんと答えることは重要です。
いま自分が問いかけられていること、いま自分がやらなければならないことをしっかりと考えた上で、発言・行動することが対話の基本になります。
形式ばかりでは人は育たないというのは正論です。
しかし、形式を無視するようではその上に立つものが育たないのはさらに正論です。
少なくとも、子ども達の目の前にあるテストの問題は、形式を無視して解答すれば点数は付けてもらえません。
子ども達の未来にある社会は、形式を無視して行動すれば認めてもらえません。
無論毎回「□□ということ」と答える必要はありません。
主題に沿ってさえいれば、文末が多少違うことは問題ありません。
また、子ども達の質問を引き出す対話もまた重要です。
が、これについては、また後日別の記事で書いてみたいと思います。
子ども達の自由な発想は、私たちにとっても宝です。
しかし、自由なだけの発言・行動は決して子ども達にとって益とは言えません。
アメリカの産業について解説しているときに、例として出したミッ○ー○ウスから思い出して、自分がディ○ニー○ンドにいって面白かった話をするようではまずいわけです。
もちろんそれが授業の内容に関連のある質問であれば、大歓迎です。
「コカコーラが多国籍企業なら、ペプシコーラもそうなの?」
すばらしい。
「シリコンバレーのバレーってどういう意味ですか?」
いかしてる。
子ども達の学力を高める質問を引き出すような、好奇心と向上心にあふれた塾をこれからも作り出していきます。