中1数学の文字式は抽象化の重要なポイントです
中学生になると、算数が数学に名前を変えます。
中学1年生の数学になって、急に難しく感じるようになって苦手になってしまう生徒も世間には多くいます。
しかし実際のところ、算数と数学の違いはありません。
どちらも数と理屈を使って世界を捉える学問です。
難しく感じるようになってしまう原因の一つは、より抽象度が上がっているという点にあります。
もともと世界は具体的に捉えられます。
りんごが見える時には、りんごそのものを捉えます。
それを脳に収めるときに、いくつかの共通点をもって「りんご」「果物」「植物」などという風に考えます。
これが抽象化の一つです。
あるいは、「りんごが1個」「秋刀魚が一匹」という風に数を使って考える事も、抽象化の一つです。
抽象化することによって具体的なもの以外についても考えを巡らすことができるのが、数学の持っている武器の一つです。
あえて具体的なものではない、共通点を持ったものをまとめて扱うことで、思考の応用性を高めるわけですね。
ここで抽象化の鍵となるのが中1の1学期に学習する文字式です。
数を具体的に計算するのではなく、文字を使った式を操作することで考えを深めていきます。
ここで、具体としての数字のみを強引に足し引き掛け割りして強引に数値(あえて正解とは言いません)を出してきた生徒が篩にかけられます。
実際には算数でも、抽象化された思考は取り扱われています。
◻︎を使った計算式などがそうです。
あるいは面積公式なども抽象化されているものです。
しかしそれらを暗記のみに頼って覚えて数値を代入するだけで突破してしまうと、その意味を理解し切ることなく終わってしまいます。
全てのものを計算する方法を暗記出来れば、それはそれで構わないかもしれません。
しかし、複雑な形をした図形の公式を全て覚えたり、動物園に入場した大人の人数を出す公式を覚えたり、一体いくつ覚えればいいのでしょうか?
そうこうしている間に数学が苦手になってしまいます。
これは、一見抽象的に見える公式もまた、具体であるということを失念しているから起きることです。
公式がどのように成り立っているかという理屈を理解すれば、わざわざ覚えるまでもなくその場で計算式を組み上げることができます。
結果としてできることを大いに増やせるのが、抽象化した思考を扱う訓練の長所の一つなのです。
ですから、中1の数学はその後の学習のことを考えても非常に重要なチェックポイントになります。
相模原高校や相模原弥栄高校、麻溝台高校のような県立上位高校進学を目指す上でも、ぜひこの中1数学をしっかりと強化してもらいたいです。