中学受験合格は上位大学進学必須なのか?
中学受験と大学進学
塾に関わって一生のほとんどを過ごしています。
そうすると学習や塾、受験について相談されたり意見を求められたりすることも多々あります。
その中で一つの大きなテーマとなるのが中学受験です。
中学受験は、そしてその合格は上位大学進学に必須なのか?という類です。
そもそもがところ、中学受験をするご家庭は教育に関心があります。
その関心の行き着くところは大学受験であることは間違いありません。
大学はどうでもいいから中学を!というのは稀なケースでしょう。
ごく一部、スポーツなどを目当てにする場合もあるにはあります。
中受組が有利なのは間違いない
そこを踏まえた上で、中学受験組、とりわけ合格組が大学受験に有利なのは間違いないです。
早い時期から学習の基礎知識を手に入れることで、それを使いこなす訓練を長くとれます。
中学受験で手に入れた知識で中高の学習がスムーズに進みます。
そして受験勉強とはどのようなものかを体験しておくことで、精神的に育ちます。
いずれまた同じようにハードな受験をする予防接種のようなものです。
また中学受験をパスして中高一貫校で6年間学習することがそもそもプラスになりえます。
入学後5年で高校分野の履修を終え、最後の1年を受験対策に注げます。
受験に対して意識のある同級生や先生に影響されるプラスもありえます。
合格さえすれば誰でも上位大学に進学とは言いませんが、有利に働くのは事実です。
難関中高一貫校の生徒が上位大学に多く合格していることが示しています。
公立高校からでも戦える
その上で、ではありますが中学受験はなんの問題もないわけではありません。
あくまで小学6年生の冬にどれほどの力があったか?が問われるのが中学受験です。
子供の成長タイミングは様々ですから、目覚めるのが12歳とは限りません。
15歳で目覚めれば高校受験で結果を出し、18歳なら大学受験に勝つこともあります。
全ての子供やご家庭が中学受験に「向いている」とは言えないことは確かです。
県立相模原高校などの上位公立高校で十分な学習をすれば、大学受験である程度のところまで届きます。
ある程度と書いたのは、最難関である東京大学理科三類・京都大学医学部などは意識できないということです。
そこまでいくと流石に次元が違います。
子供達が望めばどこにでも行ける!無限の可能性が!などという無責任なことは言えません。
大学進学のために上位公立高校への準備はしておきたい
じゃあ公立高校受験まで学習に力をいれなくてもいいのね!と考えてはいけません。
実際に上位公立高校、例えば県立相模原高校は上位7%レベルの生徒が進学します。
上位7%に入るために中学3年間だけやればいいというのは相応に頭のいい生徒だけです。
県相に来る生徒の中には、中学受験では思うようにならなかった生徒がある程度います。
そのような基礎力のある生徒と五分に渡り合うためにも、小学生のうちから学習をしておくべきです。
高校受験の基礎となる算数・国語を中心とした骨太の学力。
大学の学びを意識した理科・社会への興味関心を育てる生活。
これらこそ、小学生のうちにぜひ養っておきたい力です。
大学進学を真剣に考えるなら、ですが。