1973年8月11日
アメリカのニューヨーク・サウスブロンクスの集合住宅の娯楽室でのことです。
新学期が始まる妹のために準備をするお金をと考えた青年が、パーティーを開きました。
そのパーティーでレコードをかけて友人たちを楽しませたのが、クライブ・キャンベルです。
後にクール・ハークと呼ばれるジャマイカ生まれのDJです。
やがてクール・ハークは同じ2枚のレコードを2台のターンテーブルで交互に再生して同じフレーズを延々と聞かせることを思い付きます。
それはブレイクビーツと呼ばれるテクニックとなり、彼のパーティーの名物となりました。
そのパーティーで場を盛り上げるためにいろんなことを歌ったり喋ったりする役割が生まれます。
それがマスター・オブ・セレモニー=MCと呼ばれるようになりました。
これが HIP HOP ヒップホップと呼ばれる文化の誕生です。
ちょうど今から50年前、貧しい青年たちの未来を開く文化として生まれたのがヒップホップです。
それも学校に通うためのお金を稼ぐためという始まりです。
僕は若い頃にこの文化と出会って以降、ずっとその影響を受けて生きています。
レコードに録音された古い文化に敬意を示しつつ、ブレイク・ビーツやスクラッチ・ノイズという新しい活用を求めます。
暴力や麻薬のようなよくない何かに頼ることなく、音楽という娯楽を自分たちの未来を切り開くための手法として用います。
そして、自分たちの環境を諦めることなく向き合って改善していこうとします。
それと同じように。
教科書やテキストに書かれた考え方を大事にしつつ、そこから何を自分ができるかを考えます。
不正な行動に頼ることなく、学習を通じて得た力を使って自分のなりたいなにかになってもらいます。
僕にとっての学習塾はある意味で、僕なりのヒップホップでもあります。
誕生50年、おめでとうございます。
ということで、夏になると毎年僕がヘビーローテションしている1曲です。