塾で学力を伸ばすために
塾に通って学力が伸びるかどうかという話があります。
よく言われるのは、「2割の生徒が伸びる」という話です。
多くの生徒は通塾しても伸びないことになります。
ではその塾での指導が悪いのかと言えば、そうとも限りません。
どの分野でもそうですが、優れたプロもいればそうではない人もいます。
実際2割の伸びる生徒がいるのであれば、そこまでひどい指導力だとも限りません。
では、伸びる2割と伸びにくい8割の間にはどんな違いがあるのでしょうか。
最大の要因は、素直に指導に従っているかどうかです。
例えば僕が中学1年生によく指導することの一つに、方程式で符号ミスを防ぐ手順があります。
方程式の正負の符号ミスの多くは、「xの係数が負」と「移項」から発生します。
前者は両辺にマイナス1をかけて処理する際の処理漏れ、後者は実行時の符号変更忘れです。
計算ミスの殆どは、その手順を行うからミスするとも言えます。
それを考えれば、どちらも避けることでミスを減らせます。
前者を防ぐために、「xの係数を正に保つ」ことを「左辺にxをおく」より優先します。
後者を防ぐために、「両辺に同じ操作をする」と考えて式を扱います。
このような手順を変更するだけでミスが大幅に減るのです。
しかし、指導をされてもそれに素直に従うこと・指導を心に留めることがなければ意味はないです。
どのような塾でどのような指導を受けるにせよ、最大に効率が上がるのは素直な生徒です。
指示を忘れず、指示通りに行動を変化させる生徒です。
自分が学習して伸びるのだと覚悟がある生徒です。
惰性で自分のやりたいように、変えることから逃げて現状維持を望むからいつまでも伸びません。
今の時代は20年前、30年前よりずっと変化が速い時代です。
新しいものをどんどん身につけていかなければ時代に取り残されます。
厳しい言い方で例えれば、セルフレジに対応できないオジサン・オバサンのようになります。
子供たちが大人になって働くときに、それでは戦力として扱われません。
社会人になっていきなり新しい技術を意欲的に身につけられる人間にはなれません。
そもそも、高校生になって学習内容の速度・密度が上がったときに対応できません。
進学した高校で伸びなやみ、大学受験で思うような結果が出ません。
だから、少しでも早い時期から「指導に素直にしたがって自分を伸ばす」人間になりましょう。