演習をするときに気をつける点とは
他の教科と同様に、算数や数学でも学力を伸ばすためには演習が大事です。
絞ったインプットと合わせて十分な量のアウトプットをすれば、学力は伸びます。
ただ、アウトプットする・演習をすると言っても無闇矢鱈に解くだけではダメです。
とりわけ速度を上げてミスを無くすということを考えるなら、それなりの手順が要ります。
まず最初に手順や理屈を言語化します。
何をやるのか、どうしてやるのかという部分を完全にオフにしてしまうと応用が効きません。
その上で、以下にそれを考えずに行動できるようになるかを練習します。
意識しないで正しい手順を踏めるようになるまで脳と動作の精度を高めます。
式を眺めて次に何をするかを、「こういう雰囲気」で処理できるまでが目標です。
実際に僕が数式を扱うときも、パット見で手を動かしていきます。
すべての手順を行う際に言語に頼っているわけではありません。
一旦言語化して、折々それを確認し、解くときにはそこから少し距離を取るイメージです。
運転をするときに自動車学校では様々な注意を受けます。
しかし実際に路上でスムーズに運転する際に、それを言語化しては扱いません。
意識しないで運転できるようになるまで練習するのと同じです。
こうして伸びるためにはどんな問題に当たるかも大事です。
端的に言えば、自分が解ける問題ではなく解けそうな問題にあたることです。
自分がミスする可能性をある程度含んだ課題に取り組むことで能力は伸びます。
僕はよく面談で言いますが、掛け算九九の三の段を200回練習しても方程式のミスは減りません。
だから、ミスした問題を中心に復習したり少し数字を変えた問題を演習することが大事です。
そうやっても、なかなか上達しないと思う人も多いです。
それはそうです。
そう簡単に物事がうまくなるばかりなら、世の人は学習に困りません。
正しいことが正しくできるようになるためには、相応のコストが必要です。
毎日確実に演習した量を増やして習慣化するのが一番いいです。
毎日やることで脳はそれを大事なことだと誤解してくれます。
毎日演習して身につけたことは、簡単には抜けなくもなります。
そうやって学力が伸びれば学習を肯定的に捉えられるようにもなります。
点数が伸びれば学習に楽しさを見出しやすくなります。
楽しむというのは力を伸ばす際に実は最も難しく、重要なことでもあります。
楽しさを見つける賢さも、楽しむ強さも必要になります。
それだけに、身に付けると学力がグングン伸びていくのです。