不正はバレます
高校受験に備えたい小学生を大募集しています。
子供は素直で純真だなどという信仰は、僕の中にはないです。
素直で純真な瞬間もあれば、ひねくれてずるい瞬間もあります。
一人の人間の中に、多様な側面があります。
だから、色々な瞬間を見逃さないように指導します。
今日は生徒が自宅での学習で、計算機を使っているのを看破しました。
割り算の筆算の跡がノートになかったので、数値を見てピンと来ました。
生徒は別紙に書いたと言い張りましたが、そもそも筆算を別紙に書くなというルールです。
そして別紙に筆算したとしても計算機を使わないとこうはならないと判断できる答案でした。
だから、生徒に言いました。
「1回だけ聞くから正直に答えろ。計算機を使ったな?」
生徒は観念して白状しました。
計算機を使っても学力は伸びません。
それでも、僕は生徒が正直に計算機を使ったと最初に言っていれば、怒らない。
「計算機を使っても学力は上がらないから、自分でやること。
でも、言い難いことを正直に言ったな。
その正直さは君の財産になるからそのままでいい」
そう伝えてすぐに話は終了です。
でも、不正を誤魔化す嘘は僕の目の前でではなく、もっとクリティカルな場面で生徒の人生を台無しにします。
その日が来ないようにするために、そこからゴリゴリに説教をしました。
僕に不正がバレても、通知表は下がらないし、不合格にはなりません。
就職試験を失敗するわけでも、取引先や上司の信頼を失うわけでもないです。
だから、今回の失敗のうちにそういう将来の大きな失敗を防げるように変わってほしいです。
合格不合格などというレベルの話ではありません。
ちなみにどうやって不正を見破ったかは、実に簡単なカラクリです。
割り切れない割り算だったから、計算機の表示桁と同じだけの商が書かれていたのです。
一般的な計算機の表示桁数を知っていれば、すぐに判断材料にできます。
生きているだけでガンガン観察して勝手に知識を蓄える人間を騙すのは、まぁまぁ難しいのです。