「引退してから本気出す」で県立相模原高校合格に間に合わない理由
あくまで県立相模原高校・県立相模原弥栄高校・県立麻溝台高校のような上位高校進学を目指す生徒に限るお話です。
部活動を引退してから「大逆転」が「簡単」にできると思わないで下さい。
中1・中2の英語・数学の基礎力不足が致命的である
英数は中1・中2で学習した内容を使って中3の学習が進む教科です。
基礎的な文法・語彙・計算の力が十分ではないのに中3に突入するのは、中3の学習の消化不良を生みます。
にもかかわらず中3の難度が上がった内容を身に着けていかねばなりません。
英語・数学が3の状態では確実にピンチだと考えてください。
例外としてテストでは90点を取っているが授業態度・提出物などで3になっている生徒は保留とします。
理社の積み残しの多さが響く
理社は中1・中2の内容と中3の内容が別のものとして処理可能なものが多いです。
しかしこれは「中3分野だけなら得意にできる可能性あり」という良い面と、「積み残したものを取り戻しにくい」という悪い面があります。
英語・数学は中3分野を学習することを通じて少しずつ中1・中2分野をメンテナンスできる側面が無くはありません。
しかし地理や生物で中1の時に身に着けておかなかったものを、中3で並行して学習できるかと言われれば厳しいです。
ギリギリ、夏休みにガンガン演習しまくって積みなおすのがリミットではあります。
しかしその場合、中3分野の定着のために回せる学習量は減ります。
ジリ貧の戦いになりかねません。
そもそも内申点が不足する可能性がある
神奈川県の公立高校入試の基本的なシステムとして、評定は(中2の3学期)+(中3の2学期)×2で計算するというものがあります。
評定の1/3が中2の3学期であるということは、部活動引退前に1/3が決まっているということです。
そこで失点してしまった分は、中3の2学期か当日の学力試験のどちらかで取り戻さねばなりません。
しかし夏休みに理社の積み残しのために大量に時間を使えば、中3の2学期の内申を伸ばすチャンスはそれだけ減ります。
学力を伸ばしやすい学習習慣が身についていない
部活動を引退するまで学習に本腰を入れていない生徒のほとんどは、学力を伸ばしやすい学習習慣が身についていません。
学習の練習が不足していれば、正しいフォームが身についていないのはとうぜんです。
自分がどうやって集中力を保つのかが分かっていません。
自分がどうやったら問題を素早く解けるのかが分かっていません。
自分がどのタイミングで解けない問題をギブアップして質問したらいいかが見えていません。
自分がどのタイミングで復習するべきかが見えていません。
そんなものを試行錯誤して模索する時間的余裕がありません。
結果として不十分な練度の学習に留まって受験を迎えることになります。
「部活動を引退してから本気出す」単純に不利になるだけ
無論、部活動を頑張っている最中から学習に十分に取り組んで、定期テストや模擬試験で十分な成果を残している生徒は別です。
しかし凡に過ぎぬ結果しか手元にないのであれば、引退してから本気出すのでは上位高校進学は厳しい戦いになります。
まだ部活動を引退していない中1・中2の諸君。
もう受験を意識して動くべきか、自分のテストと通知表から考えてみましょう。