答えではなく、式で考える
算数・数学で学力を伸ばすためには式で考える癖をつけたいところです。
小学生を中心としてよくあることですが、答えが出ることや答えの数値自体に満足することがあります。
例えば、「面積6㎠の長方形の縦の長さが3cmであれば横の長さは?」という問題があるとします。
これを「2cm」と正解できる生徒はとても多いでしょう。
しかし、これが文字式として現れてくると途端に手が止まる生徒が出てきます。
つまり、「面積6㎠の長方形の縦の長さがxcmであれば横の長さは?」という具合です。
6と3を見て反射的に2と答える癖がついている生徒は、具体的な数字の感覚はできています。
しかし、その2数をなぜ割り算するべきか、どの順序で割り算するべきかという式の感覚がないのです。
こうなると、正解したりしなかったり不安定になります。
まして条件が増えてきたり、複数の式を組み合わせて解くようになったりするとお手上げです。
目の前の数字をなんとなく加減乗除して「答え」とされる数字を出してきた生徒はアウトです。
正解と数値が一致していればそれで満足してきたツケを払うことになります。
これを防ぐには、小学生のうちから式を大事にしていくのが一番です。
式を書かずに正解できる問題であっても、式をいつでも書けるようにしておきます。
正解と同じ数字の答案を見ても、「これはなんでこうなるの?」と生徒に尋ねることです。
式をきちんと書けるというのは、筋道立てた考えができるようになる途中経過です。
原因と結果をつなぐ線をちゃんとひけるということです。
ある種の思考の抽象化だとも言えます。
簡単な問題からこれを練習していけば、算数からこれを練習していけば、数学は怖くありません。
小学より中学、中学より高校の方がより抽象化が進んだ学習を行います。
そこで勝てる準備をしておくのか、その場しのぎで済ませるのかで子供の学力が大きく違います。
ですから、小学生のうちから算数を本気で学習してもらいたいのです。