ラーメン二郎という奇跡
先日『ラーメン二郎という奇跡 ~総帥・山田拓美の“遺言”~』というドキュメンタリーを観ました。
相模原市内にも相模大野駅近くに店舗がある、およそ関東のラーメン好きなら知らぬものはない有名グループのラーメン二郎。
その本店である三田店を率いる山田氏・通称総帥に密着した番組でした。
ほぼ取材らしい取材をメディアで受けたことが無い、そして今後も恐らく受けないであろう山田氏のインタビューは、僕たちラーメン好きには見逃せないものです。
もちろん、僕もいくつかの二郎に足を運んでいます。
大学時代に出会った野猿街道を皮切りに、相模大野、関内、中山、藤沢、川崎、めじろ台、立川、仙川、目黒、神保町、歌舞伎町、小滝橋、池袋、川越、越谷公園、栃木街道、茨木守谷、ひたちなか、新潟、京都、そして三田。
その味と量でラーメン二郎を正式に名乗る直系の店舗以外にも多くのフォロワーを産んでいるお店です。
決して万人に進められる一杯ではないのですが、はまる人はとことんはまります。
僕もかつては一部の生徒を連れて行ったものです。
その三田の総帥が語るラーメン二郎の歴史と哲学は独特で、やはりこれも万人に合うとは言い難いものでした。
しかし、とても魅力を感じるところが多いのも事実です。
非常に人間くさいといいますか。
いろいろなところに共感しながら見てました。
ラーメン二郎の店主はみな、本店の三田での修行を経て独立します。
その際に皆がスムーズに手取り足取り教えてもらえるわけではありません。
あくまで手本となる総帥や助手の動きをじっと観察し、自分で身に着けていきます。
いわゆるレシピも数字としては存在しません。
塩梅を示されるのみで、そこからは自分の工夫で学んでいきます。
時には「やめてしまえ」と叱責されてしまうこともあるそうです。
でもその挫折、叱責を経てからが本番だとある店主は笑っていました。
非常に古臭いとも言えるでしょう。
でも、この古臭いやり方で身に着けた味で、ラーメン二郎の店舗は繁盛店となっていきます。
効率が良いやり方ではないですが、だからこそ出る味があるとでも言いましょうか。
画一化されていないが故の骨太な強さがあるのでしょう。
これがそのまま学習塾に適応できるとは考えません。
でもちょっと、あこがれますね。