神奈川県立高校受験の仕組みとは 3.合否判定応用編
昨日までの記事の続きです。
教科の重点化
通知表の評定を使って作られる調査書の点数が合否判定の要素の一つであるというお話を昨日しました。
そこでは9教科の評定の合計で45点だということを書きました。
しかし、すべての学校がそうしているわけではありません。
相模原市内の高校で例を取ってみましょう。
県立相模原弥栄高校
弥栄は調査書の9教科が平等ではありません。
英語・国語・数学の3教科は評定が2倍で計算されます。
ですから1学期分が45点満点ではなく、60点満点です。
調査書の点数も135点満点ではなく、180点満点です。
相模原市内では2番手の高校である弥栄を受験する際にこれが意味することは何でしょうか。
言うまでもなく、「英数国は5を持ってこい」というメッセージです。
大学進学を念頭に置いて学習する生徒として、基本となる3教科の学力をきちんと上げてから幅広い進路を目指そうということですね。
英数国がオール5の生徒とオール4の生徒がいたとしましょう。
通常の入試では135点満点で9点と6.7%の差が付きます。
それが弥栄では180点満点で18点と10%の差になります。
ここをひっくり返すのはそれなりに大変ですよね。
県立橋本高校
中堅校である橋高も重点化が行われます。
こちらは英語のみ2倍となりますので、1学期分の合計が50点、調査書の点数は150点が満点です。
大きな差にはなりにくいですが、それでも優先して学習してほしい教科がはっきり見えますよね。
相模原市近隣では、大和西も英語が2倍の重点化対象です。
学校によっては学力検査の点数が重点化されることもあります。
志望校選定の際には必ず確認しておきましょう。
もちろん、青木学院にご相談くだされば情報をお知らせします。
県立相模原高校は「特色検査」がある
そしてもう一つ、県立高校入試のバランスのカギになるのが「特色検査」です。
調査書などの重点化があるとしても、1000点満点なのは変わりません。
しかし県相は、1100点満点で合否判定を行います。
その差となる100点が「特色検査」です。
県相の特色検査は教科横断的・総合的な学力を試すものです。
英語の長文で説明された社会の学習範囲に該当するような内容やグラフ・表などを読み解いて答えるようなものが代表的です。
もちろん数学と理科の複合問題もあります。
学校の定期テストなどとはひと味違う問題で、パターン学習だけで乗り切ろうとした生徒を粉砕してきます。
学力をチェックする特色検査は神奈川県内の上位高校のみに課されるものです。
相模原市内のトップ高校として、県相もようやく近年導入されたのは本当に良いことです。
また、弥栄高校のスポーツ科学・音楽・美術などの専門学科では実技の試験としての特色検査が実施されます。
割合も300点から400点に達するもので、比重の大きさから合否に大きな影響があります。
このような情報も踏まえて、県立高校入試を乗り越える学習を積んでもらいたいものです。