理屈のない楽を追求してはいけない
中学生の理科で「仕事」という学習をします。
理科での仕事とは、「仕事=力の大きさ×物体の移動距離」で測ることができるものです。
実際には移動距離ではなく物体の変形などによっても測れますが、中学生ではやりません。
いくら力を入れても物体が移動しなければ仕事をしたとはみなされません。
力を小さくして楽をすれば、移動距離を増やさなければ同じ大きさの仕事には至りません。
学習においてもここは応用可能な考え方です。
学習において時には楽をすることはとても大事です。
例えば僕は、教科書の音読を生徒によく進めます。
音読は教科書さえあればできますし、消費カロリーもそう多くありません。
隙間の時間を使ってできる、ある意味では楽な学習方法です。
しかし音読は回数をガンガンやるため、周回するために楽になっています。
仕事の例で言えば、力を小さくして移動距離を増やしているようなものです。
普通のワークを50周することは物理的に不可能ですが、音読50回なら楽勝です。
1回の周回で楽をする代わりに、たくさん周回するわけですからトータルでは大きな仕事になります。
これを、少ない周回しかしなかったらどうでしょう?
力の大きさも移動距離も小さいままのようなものです。
これで大きな仕事になるわけがないですよね。
万事そうですが、楽をすることだけを考えても結果は出ません。
一つ一つの動作は楽をしてもいい時もあります。
でも結果を出したければ、全体のやるべき量は減らせないものです。
工夫次第でちょっとは減りますけどね。