解いた問題の三分類は出来ているか
解いた後のために解く
青木学院の通常授業は演習を主としています。
とはいえ、ただ問題を解けばそれで学力が上がるという話ではありません。
問題を解くことは「アウトプットによる理解・定着」と「弱点の洗い出し」の二つの側面がまずあります。
インプットした内容を理解し定着させるために問題を解く側面は非常に重要です。
ほとんどの生徒は、ただ授業を聞いただけでは学力が上がりません。
それで学力が上がるなら学校の授業と教科書だけで事足りるはずですが、じっさいにはそうではないです。
ですから、理解・定着のためにアウトプット量を相応にとる必要があります。
そしてそれと同じぐらい、解いた後の行動が重要です。
解いた問題を3つに分類する
演習後の学習の効果を高めるために、解いた問題を3つに分類することをお勧めします。
完全に理解・定着し、安定して解ける問題
ここに分類した問題は、時間を置かずに復習する必要はありません。
出来れば解きなおしの際にもすべての問題に手を付けるのが良いとは言えます。
しかし今のような受験直前期など、時間に制約があることもままあるものです。
そのようなときに自分の弱点強化にコストを割けるように、優先度を下げる問題も必要です。
ただし、本当に安定しているかどうかを冷静に確認しましょう。
安定していると言えるのは、問題を読み終えてから解き終えるまでにペンが止まらない場合に限ります。
途中で5秒手が(思考が)停滞するなら、それは安定とはみなしません。
解けそうで解けなかった問題
ここに分類された問題こそ、一番コストをかけて欲しいところです。
入試本番の学力検査で考えてみましょう。
出願の段階で、受験生のほとんどは自分が合格する可能性がある学校に書類を出します。
しかし、テストの点数が思うように取れずに涙を呑む受験生は絶対にいます。
それは、その生徒が正解できる可能性があった問題を失点した場合がほとんどです。
解けてもおかしくない問題を(あるいはライバルたちが正解する問題を)失点した生徒が、合格ラインから離れていってしまうのが入試です。
ですから、あと一息で得点できそうな問題を一問でも確実に解けるようにしましょう。
そのために、不安定な問題を優先して何度も解きなおしたり質問したりしましょう。
ただ正解が出ればいいというのではなく、数字や表現が変わっても正解できることが目標です。
そのために、何故その答えに行きつくのかという手順がきちんと説明できる状態を目指しましょう。
いったん横に置いておく問題
ほとんどの受験生は、入試で100点を取る必要はありません。
解けない問題の一つや二つがあっても合否には影響しないのであれば、それを学習に反映させる手もあります。
合格点を取ればよいと割り切るわけです。
入試直前期に「これは不安定どころではない。そう簡単に解けるようにはなりそうもない」と思える問題に時間を割きすぎてはいけません。
ですから、解いた際に手も足も出なかった問題は横に置きましょう。
まずは2番目の「解けそうで解けなかった問題」を優先します。
そのために、厳しい問題からは勇気をもって離れましょう。
横に置いておいた問題は、「解けそうで解けなかった問題」に十分取り組んだ後に、一つずつ潰していけばよいです。
優先順位をつけて行動しよう
入試直前には何をやればいいか焦ってしまうものです。
しかし、焦って手順を間違えて時間や労力をすり減らすのは合格可能性を高めません。
自分のやるべきことを簡単にリストアップして、優先してやるべきことに焦点を当てましょう。
一つずつやるべきことを丁寧に積み上げていくのが、学力向上の本道です。
これは受験期に限った話ではありません。
むしろ本当は、受験から遠い小中学生にこそやって欲しいことです。
早くからそういう行動パターンを身に着けていれば、受験直前でもその通りに迷わず行動できるわけですからね。